ゴミ屋敷の相続拒否
悪臭や害虫被害など、周辺地域に悪影響を及ぼすことも多いゴミ屋敷。ここでは、ゴミ屋敷を相続するリスクや相続放棄の流れ・注意点などを解説します。
そもそもゴミ屋敷とは

ゴミ屋敷は、室内や敷地内に大量のゴミが放置された状態の住宅をいいます。ゴミの種類は生ゴミや家電などさまざまですが、処分されずに置かれているのが一般的です。
ゴミ屋敷は周辺環境への影響が大きく、悪臭や害虫の発生源になる場合もあります。ゴミが敷地外へはみ出るなど、通行に悪影響を及ぼすケースも珍しくありません。放火による火災リスクも高いため、相続には慎重な判断が求められます。
ゴミ屋敷相続のリスク
ゴミ屋敷を相続する際は、以下で挙げるリスクに注意が必要です。
ゴミの撤去・処分費用がかさむ
ゴミ屋敷を相続するリスクの一つがゴミの撤去・処分費用です。ゴミの撤去は相続人が対応しなくてはいけませんが、数十万円の費用がかかる場合もあります。ゴミの量や種類によっては、さらに費用が膨らむ可能性も否定できません。
一方、ゴミを長期間放置すると行政指導の対象になるおそれがあります。万が一行政代執行でゴミを撤去された場合、費用を全額請求されるため注意しましょう。
ゴミ撤去・処分費用でトラブルに
なる可能性も
複数の相続人でゴミ屋敷を相続した場合、ゴミの撤去・処分費用を巡ってトラブルになる可能性があります。ゴミの撤去などは費用がかさむため、他の相続人に費用の負担を拒否されることも考えられます。
複数人でゴミ屋敷を相続した時は、ゴミの撤去・処分費用について話し合うことが重要です。
近隣住民とのトラブルに
巻き込まれるリスク
ゴミ屋敷は悪臭や害虫発生源となるため、近隣住民とのトラブルが発生するおそれもあります。状況次第では、慰謝料を請求される可能性も否定はできません。
相続では管理責任や賠償責任も生じるため、被害の度合いに応じた賠償金を支払う必要があります。
ゴミ屋敷を相続放棄する場合の流れ
ゴミ屋敷の相続放棄は、下記の流れで手続き可能です。
- 必要書類を揃える
- 家庭裁判所に相続放棄申述書と書類を提出する
- 後日届く照会書を記入・郵送する
- 相続放棄申述受理通知書を受け取る
書類を揃えて相続放棄申述書を提出し、照会書を記入・郵送する必要があります。その後は家庭裁判所で審査が行われ、相続放棄が認められると相続放棄申述受理通知書が送付されます。
ただし、相続放棄はリスクの大きな行為です。ゴミ屋敷を相続したくない時は、他の手段も検討をおすすめします。
相続放棄の注意点
相続放棄は以下の点に注意が必要です。
- 価値のある財産まで相続放棄しなければいけない
- 相続放棄の決定は取り消し不可能
- 他の相続人の負担が増える
相続放棄する場合、現金など価値ある財産の相続権も手放すことになります。相続財産の総額によっては、損をする可能性があります。相続放棄の決定は取り消せないため、熟考したうえで判断しましょう。
複数の相続人がいる場合、他の相続人にゴミ屋敷の相続権が移ります。他の相続人の負担が増えるため、トラブルにならないよう注意が必要です。他の相続人に対して、相続放棄を検討中であることを伝えたほうがよいでしょう。
相続放棄以外に考えられる
対処法
売却する
ゴミ屋敷だけ手放したい(他の財産は相続したい)時は、不動産売却を検討してみましょう。ゴミ屋敷はゴミの撤去や処分に費用がかかる反面、土地・建物の価値が高い物件も少なくありません。売却すれば住民トラブルを回避できるほか、ゴミの撤去・処分費用を差し引いてもプラスになる可能性があります。
不動産会社によってはゴミの撤去や処分も相談可能です。現状のまま手放せるため、自分でゴミを撤去したり、処理業者を探したりする手間も省けます。
訳あり物件のプロが厄介な物件の対処法を解説
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原田 芳史 氏
更地にして売却する
建物が老朽化している場合、解体して更地にすることで売却しやすくなることがあります。特に、土地としての価値が高いエリアでは、更地にすることで買い手が見つかりやすくなります。
ただし、解体費用がかかるため、土地の価値と比較しながら慎重に判断することが重要です。不動産会社と相談し、売却の可能性を確認してから決めると良いでしょう。
自治体やNPO法人に寄付する
ゴミ屋敷を寄付する方法もありますが、受け入れには条件があります。自治体が公共利用として活用する場合や、地域の活性化を目的としたNPO法人が活用できる場合に限られます。
ただし、ゴミ屋敷のままでは寄付を受け入れてもらえないケースが多いため、事前に相談し、受け入れ条件を確認する必要があります。
競売や任意売却を活用する
競売は裁判所を通じて物件を売却する方法ですが、市場価格より安くなる可能性が高いため、慎重な判断が必要です。一方、住宅ローンが残っている場合は、金融機関と相談し、任意売却を進めることで、より良い条件で売却できる可能性があります。
まとめ:ゴミ屋敷を
相続した場合の対処法
ゴミ屋敷を相続すると、ゴミの撤去費用の負担、近隣住民とのトラブル、行政指導のリスクなど、さまざまな問題が発生します。
相続放棄以外の対処法としては、売却を検討するのが有効です。不動産会社や買取業者に相談すれば、現状のままでも買い取ってもらえる可能性があります。
また、ゴミを片付けて売却したり、老朽化が進んでいる場合は更地にして売却することで、買い手が見つかりやすくなります。自治体やNPO法人への寄付も選択肢の一つですが、受け入れ条件を確認する必要があります。
ゴミ屋敷の処分に困った場合は、早めに専門家や不動産会社に相談し、適切な方法を選びましょう。
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