
旗竿地の買取
敷地の出入り部分の幅が狭く、いびつな不整形地であるため、スムーズな買取が困難とされている旗竿地。「旗竿地」と言われ、不動産の処分に困っている方。売却のポイントや東京の買取事例をプロが解説します。


解説していきます
東京で45年以上買取事業を中心とした不動産業を経営。一般的には不動産会社に買取を断られるような物件においても高額買取を実施。各分野のプロと提携しているため、買取だけではなく、相続時の権利問題など物件の"困った"を包括的にサポートしています。

旗竿地とは

旗竿地とは、敷地の出入り部分である「間口」が狭くなっていて、その先に敷地が広がっている土地のことです。長方形や正方形といった整形地とは異なり、形がいびつな不整形地であるため、活用も難しいとされています。
また、間口の長さがどの程度であるかが、売却のしやすさや買取額に影響すると言えます。一方で、旗竿地には以下のようなメリットもあります。
固定資産税が安い
整形地と比較して土地が活用しにくい、日当たりや風通しに難がある傾向がある、などの理由から、需要が少なく資産価値も低くなります。土地評価額が低くなるため、整形地と比較して固定資産税が安くなるメリットも。しかし、売却時の価格を高く設定することが難しくなります。
活用次第で
無駄のない家づくりができる
間口部分に駐車スペースを設けるなど、旗竿地の有効活用ができた場合は、旗部分のすべてを活用して無駄なく家を建てることができます。一方で、間口が活用できない場合は、駐車スペースを確保すると、その分建築面積を減らさなければなりません。
旗竿地の買取(売却)が
難しい理由
資産価値が低い
整形地に比べて活用しにくい点が大きな課題です。有効宅地の範囲が限られるため、建物の設計や配置に制約が生じ、自由度が低くなります。
また、日当たりや風通しが悪くなることがあり、路地状部分(道路に接している細長い部分)が長いと土地評価が整形地の約7割減となるケースもあるため、売却価格を高く設定しにくいというデメリットがあります。
建築面積が減る可能性がある
路地状部分の長さによって必要な幅員が定められており、防火上の安全を確保するために一定の条件を満たさなければなりません。
- 路地状部分の長さ20m以下の場合で耐火・準耐火以外の建築物で延べ床面積200㎡超え
→幅員3m
その他の建築物
→幅員2m - 路地状部分の長さ20mを超える場合で耐火、準耐火以外の建築物で延べ床面積200㎡超え
→幅員4m
その他の建築物
→幅員3m
これは東京都の条例を基にした基準の一例ですが、こうした規制により、敷地全体の面積が大きくても、実際に建築できる宅地面積(正味有効宅地)が制限される可能性があります。そのため、旗竿地などの売却や活用には、これらの制約を考慮することが大切です。
再建築不可物件の可能性がある
接道義務により、建築基準法では道路に接する間口の広さは2メートル以上と定められています。そのため、間口の広さが2メートル未満であった場合は、今ある建物を解体するとその土地に新たな建物を建てることができない「再建築不可物件」とみなされるため、買取が難しくなります。
土地評価額が低く住宅ローンも
組みにくい
旗竿地は不整地であるため、整形地と比較して不動産の評価額は高くありません。そのため、周辺エリアの地価平均が高くても、旗竿地であるがゆえに売却額が安くなることがあります。また、再建築不可物件に該当した場合は、住宅ローンを組む際、金融機関の担保としての評価が低くなることに。
買主がそもそも住宅ローンを組めない、必要とする融資額に届かないとなると、資金調達が難しくなり、結果として売却が困難になります。
解体やリフォーム時の費用が
高額になる
再建築不可物件に該当した場合、新しく建て直すことはできないため、購入後の経年劣化にリフォームや解体で対応したうえで、売却を考える買主もいるでしょう。しかし、旗竿地は間口が狭いため、重機やトラックが建物のすぐ近くまで進入することができません。
また、工事費用や人件費が膨らみ、想定外の高額な費用がかかることも。そのため、リフォームや解体を視野に入れている買い手からは、買取が敬遠されることになります。

活用ルートを確保
だから高く売るための
提案ができます
翔栄は、旗竿地のような一般的な不動産会社が敬遠しがちな物件の高価買取を得意としています。
創業45年の事業経験で築いた投資家との繋がりで買い手を探しやすいことに加え、自社の民泊事業での活用など豊富な手段を持っています。
一癖ある訳あり物件でも、活用手段・流通ルートを築いているため、最大限の価値での売却提案(買取)ができるのです。

東京の旗竿地のポイント
- 住宅密集地が多いため、旗竿地が比較的多くみられる
- 都心では狭小住宅やデザイナーズ物件としての需要もある
東京では、住宅密集地の関係で旗竿地が多く存在し、売却が難しいケースが多くなる傾向に。ただ、狭小住宅やデザイナーズ物件としての活用ニーズがあるため、一定の需要も見込めます。
買取業者を選ぶ際は、旗竿地の建築制限や活用方法に精通した業者に相談しましょう。
旗竿地の買取業者の選び方
旗竿地の
活用ノウハウがある業者を選ぶ
旗竿地は有効宅地面積が限られ、設計や建築に制約があるため、取り扱いに慣れている業者を選ぶことが大切です。建築基準法や条例に精通し、適切な活用方法を持つ業者を選ぶことで、適正価格での買取が期待できます。
直接買取を行う業者を選ぶ
不動産会社の中には、仲介のみを扱い、直接買取を行わない業者もあります。旗竿地は買い手がつきにくいため、仲介では売却までに時間がかかることが多く、確実に手放したい場合は直接買取を行っている業者を選ぶのがスムーズです。
手続きや
費用の負担が少ない業者を選ぶ
旗竿地の売却では、測量や私道承諾、残置物の処分など、売主側の負担が発生するケースがあります。業者によっては、こうした手続きを代行してくれる場合もあるため、売主にとって手間や費用負担が少ない業者を選ぶことが大切です。
買取価格や条件を比較する
旗竿地は整形地よりも評価が低くなるため、買取価格に差が出やすい特徴があります。1社の査定だけで決めず、複数の業者に査定を依頼して、買取価格や条件を比較することで、より良い条件で売却できる可能性があります。
旗竿地の売却までの流れ
旗竿地の一般的な売却までの流れは次の通りです。
- 査定の依頼
- 不動産会社の選定
- 売り出し価格の設定
- 売却活動
- 売買契約の締結
- 必要書類の手配
- 物件の引き渡しと代金受取
まとめ:
旗竿地売却のポイント
道路から建物までの間口が狭く、距離がある旗竿地は、間口の有効活用ができるかどうかが、土地の評価額を大きく左右します。また、旗竿地であることにより、整形地と比較して土地評価額が低くなるほか、担保として住宅ローンを組むことが難しくなることも。
旗竿地の買取に実績がある不動産会社なら、旗竿地の特性を最大限に活かして有効に活用するノウハウがあるほか、買取により、リフォームや解体の不安もなくなります。