
借地権・底地権の買取
土地の所有者に地代(借地料)を支払い、土地を利用する権利を得る借地権。ここでは、借地権の売却のポイントをプロが解説します。東京での売却事例もまとめましたので、合わせてお役立てください。



解説していきます
東京で45年以上買取事業を中心とした不動産業を経営。一般的には不動産会社に買取を断られるような物件においても高額買取を実施。各分野のプロと提携しているため、買取だけではなく、相続時の権利問題など物件の"困った"を包括的にサポートしています。
借地権・底地権とは

借地権とは
借地権は、その土地の所有者(地主)から土地を借り、建物を建設する権利を得ることをいいます。地主と利用者が異なるのが特徴で、土地の所有者に対して利用者は借地料を支払います。
借地権は普通借地権と定期借地権の2種類に分けられます。契約期間を更新できるのは普通借地権のみで、定期借地権は契約満了に合わせて土地を返還する必要があります。
借地権は売却も可能
借地権はその土地を利用するための権利ですが、第三者に対して売却することも可能です。地主に対して売却を交渉できるほか、買取業者に売却する方法もあります。ただし、借地権の売却は手続きが複雑で、一般的な不動産ほど自由に取引できません。状況によっては売却が困難なケースもあります。
底地権とは
借地権が設定された土地の所有権を指します。相続時には、借地人との契約や土地の管理が必要になるため、相続後の対応を誤るとトラブルにつながる可能性があるため、慎重な対応が求められます。
借地権の買取(売却)が
難しい理由
借地権の売却が難しい理由は次の3つです。
地主の承諾が必要不可欠
借地権を売却する場合は、あらかじめ地主の承諾を得る必要があります。しかし、地主との関係によっては交渉に時間がかかったり、承諾が得られなかったりするリスクも潜んでいます。
借地権の売却において、地主が障害となるケースも珍しくありません。地主との関係が良好でない場合、交渉は買取業者などの第三者に任せることも検討しましょう。
地主とトラブルになるリスクも
借地権の売却を巡って地主とトラブルになるおそれもあります。例えば建て替えの承諾を得られない、借地権の契約期間の延長に応じてもらえない、などのトラブルです。嫌がらせを受ける可能性も否定できませんので、普段から地主と良好な関係構築に努めることが大切です。
不動産ローンの審査が厳しくなる
住宅ローンを組む際、一般的には土地と建物の両方に抵当権が設定されますが、借地権の場合は土地そのものに抵当権を設定できません。そのため、通常よりも担保価値が低いとみなされます。
また、借地人の行動に問題があれば地主に借地契約を解除されたり、そもそも抵当権の設定を承諾してもらえなかったりなどのリスクもあります。このような理由から、借地権付き建物は住宅ローンの審査が厳しくなります。
底地権の買取(売却)が
難しい理由
収益性が低い
底地を所有していると、借地権や地上権の設定による賃料収入を得られます。しかし、土地にかかる固定資産税や都市計画税、管理費は土地所有者が支払わなければなりません。
借地人は借地借家法により保護されており、地主が自由に地代を値上げすることはできません。そのため、土地の評価額が上昇したことで税金が増えれば、収支がマイナスとなる可能性があるのです。
リスクを回避するには、固定資産税の増加などに合わせて賃料を増額するなど、賃料増額の交渉をしなければなりません。
借地人とトラブルになる可能性も
底地を所有していると、借地契約の更新や賃料の値上げなどをめぐり、借地人とトラブルになる可能性があります。
話し合いで決着がつかない場合は裁判に発展する可能性もあり、裁判になれば費用や手間が発生してしまうかもしれません。

交渉などをすべて引き受けます
翔栄は地主・借地人との丁寧な交渉から、納得のいく条件の提示までまるごとお任せいただけます。経験豊富なスタッフがすべてを引き受け、手間の少ない売却をお手伝いします。
また、法律や登記や供託、訴訟の専門家と連携しているため、トラブルへの対策も安心。負担と手間の無い売却でスムーズにお取引を完了できます。

東京の借地権・底地権の
ポイント
- 都心部に借地権付き物件が見られる傾向
- 地主との交渉が必要だが、専門業者ならスムーズに進められる
- 底地と借地をまとめて売却できるケースもあり、活用の選択肢が広がる
東京都心部には、借地権付き物件が多く、売却には地主との交渉が必要です。
しかし、借地権の買取を専門とする業者なら、地主との調整を代行し、スムーズな売却を実現できます。また、底地と借地を同時に売却する「等価交換」などの選択肢もあるため、適切な方法を提案してもらいましょう。
借地権・底地権の買取業者の選び方
借地権・底地権を売却する場合、以下を参考に買取業者を選びましょう。
借地権・底地権の買取ノウハウを確認する
特に重視したいのは借地権・底地権の買取ノウハウです。借地権・底地権は権利関係や手続きが複雑で、売却までに時間がかかる場合もあります。トラブルを避けるためにも、買取経験のある業者に相談しましょう。
査定価格をチェックする
査定価格も重要です。希望に近い価格かどうかチェックしましょう。借地権の売却相場は、路線価や借地権割合などによって異なります。適正価格の見極めが難しいため、複数の業者から査定を受けることも検討しましょう。
売却時のサポート内容を確認する
売却時のサポートも確認しておきましょう。借地権・底地権の売却は、地主または借地人との交渉や協議、売買契約の締結など、さまざまな手続きがあります。交渉を始め、手厚いサポートを受けられる業者を選びましょう。
借地権の売却までの流れ
借地権を売却する流れは次のとおりです。
- 地主に借地権売却について相談する
- 地主と交渉して借地権売却の承諾を得る
- 買取業者の査定を受ける
- 査定価格に問題なければ売買契約を締結する
- 代金を受け取る
- 借地権を引き渡す
まずは地主に相談し、借地権売却の承諾を得ましょう。必要であれば買取業者に依頼することも重要です。承諾を得たら買取業者の査定を受け、買取価格に納得できた場合は売買契約を締結しましょう。その後は代金を受け取り、借地権を引き渡すことで売却が完了します。
底地権の売却までの流れ
- 売却の方針を決める(借地人へ売却、第三者へ売却、等価交換)
- 底地権の査定を依頼する
- 借地人へ売却の打診(優先交渉権の確認)
- 売買契約の締結と引き渡し
底地権は、通常の土地売却と異なり、借地人との交渉や契約条件の確認が必要なため、慎重に進めることが大切です。
まとめ:
借地権・底地権の売却
借地権は地主から借りた土地の利用権、底地権は借地権が設定された土地の所有権を指します。
借地権・底地権を相続すると、相続税の負担や地主・借地人との交渉、契約更新や地代の調整が必要となるなどのリスクがあります。
売却方法として、借地権は地主への売却や買取業者の利用、底地権は借地人への売却や第三者への売却、等価交換の活用などが考えられます。売却を検討している方は、交渉や手続きに詳しい専門業者に相談し、スムーズに取引を進めましょう。