利用価値が著しく低下している宅地の評価

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相続した土地が線路沿いの騒音に悩まされていたり、極端な高低差があったりする場合、「こんな条件の悪い土地でも、高い相続税を払わなければならないのか」と疑問に思うのは当然です。

実は、国税庁の財産評価基本通達において、「利用価値が著しく低下している宅地」に該当すれば、その評価額から10%を控除できる制度が存在します。この制度を知っているかどうかで、相続税の負担は大きく変わります。本記事では、減額が認められる具体的な要因や、税務署に否認されないためのポイントについて詳しく解説します。

監修sponsored株式会社 翔栄
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訳アリ不動産のプロが
解説していきます
代表取締役 原田芳史 氏

東京で45年以上買取事業を中心とした不動産業を経営。一般的には不動産会社に買取を断られるような物件においても高額買取を実施。各分野のプロと提携しているため、買取だけではなく、相続時の権利問題など物件の"困った"を包括的にサポートしています。

INDEX目次

10%減額が認められる
具体的な要因

騒音・振動

線路に隣接しており電車の通過音が激しい場合や、大型車が頻繁に通行する幹線道路沿いで絶えず振動を感じるような土地が該当します。窓を開けられないほどの騒音や、夜間の安眠を妨げる振動は、居住用宅地としての価値を著しく損なうと判断されます。ただし、防音壁などの対策が付近一帯で施されている場合は、個別評価の検討が必要です。

日照阻害・風害

南側に巨大な高層マンションが建っている、あるいは頭上を巨大な高架橋が通り、一日中ほとんど日が当たらないような土地が対象です。また、高層ビルの影響で「ビル風」が著しく、通常の生活に支障をきたすような風害が生じている場合も含まれます。これらは居住環境を著しく悪化させ、一般的な宅地としての市場価値を低下させる要因となります。

悪臭

近隣に養豚場や養鶏場などの畜産施設、あるいは下水処理場や清掃工場があり、日常生活において不快な臭いが常に漂っているような土地が該当します。悪臭の程度は主観になりがちですが、年間を通じて風向きにより頻繁に影響を受けるなど、第三者から見ても明らかに敬遠されるような状況であれば、10%の評価減を検討する余地があります。

高低差

道路や隣地と比べて著しく低い場所に位置している「凹地」や、逆に崖の上にあり階段でしかアクセスできないような土地です。こうした高低差は、将来的な建て替え時に多額の造成費用や擁壁工事費が必要となるため、利用価値が低下しているとみなされます。付近の宅地が概ね平坦である中で、その土地だけが極端な高低差を持つ場合に認められます。

忌避施設

土地のすぐ隣や目の前に墓地、火葬場、または広域避難場所となる大規模な騒音源工場などがある場合です。いわゆる「心理的瑕疵」に近い要因であり、多くの人がその土地での生活に抵抗を感じるような施設が該当します。

このような施設に隣接していることは、売却価格にも大きな影響を与えるため、税務評価においてもその実態を反映させることができます。

その他

上記以外にも、例えば目の前に横断歩道橋があり室内が丸見えになってしまう、あるいは不快感を与える特定の施設が至近距離にあるといった個別の事情が該当します。一見特殊なケースでも、「一般的な宅地としての利用が著しく制限されている」と論理的に説明できるのであれば、制度適用の対象となる可能性があります。

「著しく低下」を
判定するためのポイント

「付近の宅地」との比較

10%減額を適用する上で最も重要なのは「比較」です。もし地域全体が騒音に悩まされていたり、エリア全体が同じような傾斜地であったりする場合、その悪条件は既に「路線価」自体に反映されているとみなされます。

減額が認められるのは、あくまで「周辺は静か(あるいは平坦)なのに、この土地だけが特に悪い」という個別性が認められる場合に限られます。

具体的な計測数値の重要性

税務署を納得させるためには、主観的な「うるさい」「暗い」という主張だけでは不十分です。例えば高低差であれば「道路から〇メートル低い」、日照阻害であれば「冬至の日の日照時間が〇時間以下」などの客観的な計測数値が必要です。このようなデータを用意することで、初めて「著しく低下している」という法的要件を満たしていることを証明できます。

裁決事例から学ぶ
認められた例・却下された例

却下された事例

平成24年5月8日の裁決事例では、付近の宅地と比べて著しい高低差があるとして減額を求めた主張が却下されました。理由は、「単に、ある宅地と付近にある宅地との高低差があることのみをもってこれを判断するという解釈を採れば、例えば当該宅地の日当たり、風通し、水はけおよび眺望を良くする目的で盛土をした場合など、その利用価値が(中略)必ずしも低下要因とはならない高低差がある場合でも、容易に減額を受けられることとなり、(中略)評価方法の趣旨とは相いれない」というものです。

認められた事例

複数の土地のうち、一部の土地について減額が認められた事例も存在します。このケースでは、土地の形状や周辺環境を詳細に分析し、特定の区画だけが宅地としての利用効率を著しく欠いていることが認められました。単一の要因だけでなく、複数の悪条件が重なっていることを論理的に説明できれば、税務署もその土地特有の価値低下を認めざるを得なくなります。

他の評価減制度との
併用ルール

土地の「カタチ」の悪さを活かす
形状補正とのコンボ

三角形やL字型の不整形地補正、道路に接していない無道路地補正、極端に間口が狭い間口狭小補正など、土地の「形状」に基づく補正は10%減額と併用可能です。形状が悪く、かつ騒音や高低差がある土地なら、これらの補正を重ねることで、本来の路線価から大幅に低い評価額を算出でき、納税額を劇的に圧縮することが可能になります。

広大な土地に適用される
「地積規模の大きな宅地」との併用

一定以上の面積を持つ土地に適用される「地積規模の大きな宅地(旧:広大地)」の評価減制度とも併用が可能です。広い土地はそれだけで開発コストがかかるため評価が下がりますが、そこに「利用価値の低下」という要因が加われば、さらなる減額が認められます。面積が広い分、10%のインパクトは非常に大きく、数百万円から数千万円単位の節税に直結します。

評価額を最小化する!
具体的な併用計算のステップ

具体的な計算の流れは、「路線価 × 奥行価格補正 × 不整形地などの形状補正 × 0.9(10%減額)」という順序で行います。

まず土地の形状による補正をすべて掛け合わせた後に、最後に利用価値の低下分として10%を差し引く形になります。複数の制度を適切に組み合わせるには専門知識が必要ですが、正しく適用すれば税務上の価値を実勢価格に極限まで近づけることができます。

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騒音や高低差、権利関係のトラブルなど、どのような悪条件を抱えた土地であっても、弊社では社内の専門チームが即座に価値を判定し、買取価格を提示します。売主自身が高い費用を払って調査したり、税理士を探したりする手間は一切不要です。評価の難しい土地だからこそ、プロによる一括対応が最もスムーズな解決策となります。

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翔栄には、創業以来45年以上にわたって「訳あり不動産」を専門に扱ってきた圧倒的なノウハウがあります。他社が「売れない」と断るような土地であっても、翔栄はその土地が持つ潜在的な価値を見逃しません。長年の経験に基づく正確な査定により、利用価値が低下した土地であっても、正当な価格での買取に力を入れています。

不動産再生のノウハウがあるから、
低評価の土地も歓迎

翔栄では買い取った土地を、何らかの用途として自社で再生・運用するノウハウを持っています。一般の宅地としては利用価値が低くても、別の用途に転換することで収益化できる確信があるからこそ、どのような土地でも前向きに買い取ることができるのです。評価が低い土地こそ、翔栄の得意分野です。

「もう売れない」と諦める前に!
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共有持分や再建築不可、借地権、底地権といった訳あり物件は、複雑な権利関係や周辺トラブルを抱えていることが多く、一般の不動産会社では対応しきれないのが実態です。

翔栄は、不動産問題に精通した弁護士や税理士等の専門家との独自ネットワークを最大限に活かし、どのような困難な案件であっても適切な解決策を見出します。物件の価値を最大限に引き出しながら、煩雑な手続きや近隣交渉もすべて翔栄が引き受けますので、お客様は最小限の手間で確実に売却を実現できます。まずはチャットの簡易査定から、第一歩を踏み出してみませんか?

代表取締役 原田 芳史 氏

制度の申請方法
明細書の書き方と必要書類

申告書への記載方法と
「適用理由」の書き方

相続税申告の際には「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」を使用します。この明細書の備考欄、あるいは別紙として「利用価値が著しく低下している宅地の評価を適用する理由」を明記します。具体的に「どの施設の騒音なのか」「道路から何メートルの高低差があるのか」など、通達に定められた要件を満たしていることを簡潔かつ論理的に記述することが求められます。

証拠として有効な添付書類

税務署の調査が入った際に対抗できるよう、以下のような客観的証拠を揃えることが非常に重要です。

税務署から否認されないための対策

最も多い否認理由は「付近の宅地も同様の条件であり、すでに路線価に含まれている」というものです。これに対抗するには、「自分の土地だけに特有の悪条件」を強調するロジックが必要です。

例えば、「周辺は平坦だが自分の土地だけが崖地である」「隣の家は日当たりが良いが、自分の土地だけが高架下で影になる」といった、周辺との差異を明確に示すことで、否認のリスクを最小限に抑えられます。

確実性を挙げるなら
「不動産鑑定士」への依頼がおすすめ

10%以上の価値低下がある場合の
対処法

財産評価基本通達による10%という数字は、あくまで税務上の「一律の目安」に過ぎません。実際には、崖地で全く建築が困難だったり、凄まじい騒音で住環境として破綻していたりして、市場価値が30%や50%も低下しているケースがあります。通達による評価では実態を反映できない場合、個別評価である「鑑定評価」によって、より適正な価格を主張することになります。

不動産鑑定評価書が相続税還付・
節税に強力な武器になる理由

不動産鑑定士が作成する「不動産鑑定評価書」は、税理士による評価よりも法的根拠が強く、税務署に対しても強力な証明資料となります。もし鑑定によって10%を大幅に上回る減額が認められれば、これから支払う税金を抑えるだけでなく、すでに支払ってしまった相続税についても「更正の請求」を行って還付を受けることが可能になる場合があります。

鑑定料 vs 節税額!
費用対効果が重要

不動産鑑定の依頼には、通常数十万円の費用が発生します。そのため、鑑定を行うことで得られる節税額(還付額)が、鑑定費用を上回るかどうかの見極めが重要です。

土地の評価額が数千万円以上あり、かつ大幅な減額が見込まれる場合には非常に有効な手段となりますが、まずは専門家に簡易的なシミュレーションを依頼し、費用対効果を冷静に判断することをおすすめします。

訳あり地の価値を正しく
見極めるために

利用価値が著しく低下している土地は、放置すれば高い税負担だけが残りますが、適切な評価減制度を活用して大きな節税ができます、が、一方で、税務上の複雑な手続きや否認のリスク、売却の難しさに直面することも少なくありません。「もう売れない」と諦めたり、相続を拒否したりする前に、まずは専門的なノウハウを持つプロに相談し、その土地の本当の出口戦略を見つけることが、大切な資産を守るための最善策となります。